活動報告「GRⅡ子どもサイエンスゼミとASと熊本県立美術館のコラボ」

 今年度のテーマ研究では今年もたくさんの取り組みを行いました。個人やグループでの実験やフィールドワークも積極的でしたが、新しい取り組みとして美術館とのコラボレーションを行った例を紹介します。

 10月26日(日)熊本県立美術館で子ども美術館「秋だ一番!子どもアンデパンダン~積み木で街をつくろう」を行いました。参加した子どもたちは小学生を中心におよそ15人、第二高校からは美術科1・2年生14人、普通科「GRⅡ子どもサイエンスゼミ」から5人が参加しました。美術館からは学芸員さんと美術館ボランティアの皆さんです。

 この日は「佐々木耕成展」を鑑賞するためのワークショップで、佐々木さんが行おうとした「美術の変革」、保存を前提としないインスタレーションやパフォーマンスの記録、絵画を展示したものでした。

 子どもたちと「積み木でアートをつくる」ことで、「美術」というカテゴリーに問題提起をした佐々木さんの創造のプロセスを追体験することと、「科学」的視点では積み木が子どもたちの知的発達に与える影響の検証を行うことが目的でした。

 まずは5000個の大量の積み木を前に、一人一つ自分が「美しい」と思う「塔」をつくりました。

ミッション① 自分の背よりも高く積み木を積むこと。

「科学のお姉さん(子どもサイエンスの生徒)」から積み木を高く、美しく積むコツを教えてもらいます。

感心したのは特に指導していなかったのですが、「解剖学講座」でもメインテーマであった「重心」という言葉がキーワードとなっていました。積み木を積むという行為は、子どもの空間把握能力を磨き、体幹を意識した物理学的学びが可能であるとわかりました。

ミッション②自分だけの塔をつくろう

それぞれ持ち寄った素材も使い、塔をつくっていきます。

ミッション③一人一人の塔を橋でつなぎ、みんなの町をつくろう

美術のお姉さん、お兄さん(美術科)から、どんなイメージでつなぐのかヒントを伝えます。イラストはH29年度に第二高校に講義に来ていただいた建築家光嶋裕介さんのスケッチです。

 次に科学のお姉さんが橋の作り方のバリエーションをレクチャーします。通潤橋の作り方などにも話題は広がりました。

最後にこの町の名前をみんなで話し合い、記念撮影して終わりました。

町の名前は「橋のまち」でした。