高い志と挑戦の意欲を

第二高等学校長 山本 朝昭


 日本の教育が大きく変わろうとしています。明治維新の近代化、戦後の民主化に伴う教育改革に続き、今、グローバル化・情報化に伴う第3の教育改革が進行しています。2020年には高大接続改革の一環として大学入試センター試験が大学入学共通テストに移行。従来の知識量を問う「暗記型」学習から、「知識・技能の確実な習得」「思考力・判断力・表現力」、「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ力」、いわば学力の3要素が問われることになります。大学の入り口段階で入学者に求める力を多面的・総合的に評価し、日本社会に有為な人材の育成を図ろうという試みです。グローバル化によって社会構造が大きく転換し、国内外でさまざまな社会変動が起こる時代、多様な人々と協力しながら主体性を持って生きる力、変化に対してしなやかに対処できる力が求められているのです。
 第二高等学校は、このような変化の激しい時代においても、変えてはいけない不易を大切にするとともに、新たな時代を見据えた新しい教育に躊躇せずに挑んでいきます。生徒の皆さんの高い志、挑戦の意欲を大切にしたい。新しい考え、未来志向の発想をしっかりと拾い上げ、若者の限りない潜在力を最大限引き出したいと考えています。

 本校は、新しい時代に生きる力を育てるため、SSH研究事業をベースとした教育活動を次のように展開しています。

  1. 課題を見出し、解決に向かう力を育てるため、「全校で探究科目」を展開
  2. 校務分掌に授業開発部を設置し、全教科・全領域で「探究型授業」を推進
  3. 社会と結びついた本物との触れ合い体験を得るため、「外部連携」を推進

 私たちは生徒たちに、「高い志」と「挑戦の意欲」を求めます。第二高等学校には、あらゆる可能性を伸ばす教育があります。生徒の可能性をとことん信じ、精いっぱい寄り添う教師がいます。そして、学校全体を支援し、生徒の活躍を応援してくださる同窓会、PTA、さらに地域の皆様方という素晴らしい環境があります。志を高く掲げ、失敗を恐れることなく若さの特権を発揮してもらいたいと願うばかりです。感謝の気持ちを忘れず、将来、国際社会や地域に貢献できる「真の学力」を持った生徒の育成に誠心誠意取り組んでまいります。