研究授業「絵の具をつくろう~SSH特別授業」
7月19日(木)、美術科1年生を対象に今年も絵の具をつくる実験を行いました。昨年度はこの授業を経て、九州国立博物館バックヤードツアーやAS(学校設定科目アートサイエンス)のテーマ研究において、絵の具をつくる実験を行ったチームが複数出るなど、美術探究とASの核となる事業となりました。
今後も内容を深めていきたいと思います。
化学の先生より、なぜ色が見えるのかを説明。
ろ紙のたたみ方のレクチャーは実物投影機を使用。
酸化鉄(Ⅲ)水溶液にヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸カリウム水溶液を少量加える。
次第に沈澱し、藍色に変化。プルシアンブルーになります。
他にもクロムイエローをつくりました。
最後はみんなで、江戸時代ベロ藍と呼ばれたプルシアンブルーを用いた葛飾北斎と伊藤若冲の作品の模写、オマージュの制作。
最後に二高ICEモデルの評価に基づいた感想文作成。生徒の感想の中に「プルシアンブルーは色が強くて、使いづらかった」とありました。葛飾北斎の娘をモデルにしたテレビドラマで「こんな強烈な色が使えるか?」というセリフがありました。葛飾北斎「富嶽三十六景」の鮮やかな藍はベロ藍です。
北斎はこのベロ藍を自分のものにして新しい境地を開いたのですが、人工顔料の強さに気づく美術科生徒の感性はさすがだと思いました。