普通科ブログ
防災グッズ模型完成!~2年普通科美術選択
普通科美術Ⅱ選択で取り組んでいるデザイン課題「二高防災手帳」、学習のハイライト「防災グッズの模型」が完成しています。学年末テスト後、プレゼンテーションをします。
▲シンプルな幾何形体ですが、車中泊の際、車の座席のすき間に置けるクッションです。平時は折りたたんで車に収納できます。
▲おしゃれな観葉植物に見えますが・・・
▲上のカップが浄水器になっています。震災後すぐ、援助が来るまでの長くとも三日間をしのぐ為に、一番必要な清潔な水をコップ一杯でもあれば・・・という体験に基づくコンセプトです。常にそばにあっても気にならないデザイン性がポイントです。
▲地震で壁紙がはがれたり、ヒビが入りやすい部分のカバーのデザイン。コーナーのレンガ風の装飾部分です。ヒビや破損個所は放置しておくと静かに人の心を傷つけているものです。美しいものを見るとほっとするのも同様で、見るということと人の心はとても近いと感じます。
▲普段はコンパクトに・・・
▲開くとこうなります
▲車中泊の時に使うクッションです。ボールペンは人が寝ている感じを出しています。
▲震災時に欲しいアプリのデザイン。
▲画面の変化はGLや家庭科で学習したKP法を応用。(紙芝居方式)
▲商品名がかわいく「FaiPo」、震災時でも温かいものを食べられるように。修学旅行での関東大震災の学習が生かされています。
▲避難用キャリーバッグ。模型をつくるための模型もいい出来でしたので、一緒に撮影、親子バッグになりました。
▲何のパッケージでしょうか?
▲中には、すぐ育つ野菜の種と土に変わるもの(検討中)が入っています。
地震後、なかなか新鮮な野菜が食べられなかった経験から、すぐ育つ野菜をかわいいパッケージで保管しておき、必要な時にすぐに育てられるようにするアイデアです。パッケージは折りたためるので、自治体等で大量に保管も可能です。
まだまだ、良い作品がたくさんありますが、今日はここまで。
随時掲載しますので、ご覧下さい。いつか、本当に商品化できたらいいなあと思います。
贈別~普通科2年美術選択
[贈別」 杜牧
多情却似総無情
惟覚罇前笑不成
蝋燭有心還惜別
替人垂涙到天明
作品は漢詩をテーマにしたものです。
「多情は却(かえ)って、総(すべ)て無情なるに似たり」
別れの時なのに、思いがあふれ出て、言葉にならない。
そんな気持ちを高校生のみんなも味わって、大人になっていくのでしょうね。この詩は恋の歌のようですが、卒業の季節に味わう気持ちにも似ています。杜牧は晩唐期の詩人ですが、千年以上も昔の人と、気持ちを共有できる。芸術の素晴らしさだと思います。
同じ漢詩でも心惹かれる部分は違います。これも、芸術の豊かさです。
「二高防災手帳」制作中(普通科文系美術Ⅱ)
今の2年生は昨年入学したての4月、新入生宿泊研修のホテルで熊本地震の前震は起きました。家族との安否をとり不安な気持ちで、家に帰りました。高校生活のスタートが震災から始まったわけですが、およそ2年が経つ今、そろそろ振り返ってもいいかと思いこの課題をはじめました。
「二高防災手帳」の制作です。第一部は地震を振り返ってのエッセイ、第二部は災害時にできるだけ快適に過ごすためのアイデア、または過去の自分へのアドバイスを企画書風にまとめる。第三部は実際にプロトタイプを制作します。この「二高防災手帳」は雑誌風にまとめて印刷し、美術選択の生徒たちで共有する予定です。
項目は、衣・食・住・交通・勉強・他で分け、完成した企画書はこのようにマッピングしてお互いのアイデアを鑑賞します。
▼交通の不便さを解消するアプリのデザイン。このプロトタイプはGLで学んだKP法でイメージを表現します。
▼車中泊で快適に眠れるようにするアイデア
▼ベッドの側に備えておける震災用置き靴のアイデア
ものづくりではありませんが、例えはジャージは避難所で寝間着にも、外出着にもなるし便利という話も出てきました。また、震災の被害は本当にそれぞれで、少しずつお互いの思いが出てくるような時間でした。
今後は模型を作成し、プレゼンまで持っていきます。美術を学ぶことによって、自分自身を幸せにできる力、思いを共感し、喜びをシェアできる力を生徒たちが身に付けることができたらと思っています。
漢詩を版画で表現(普通科美術Ⅱ)
普通科美術選択では2学期、多色木版を制作しました。テーマは漢詩です。力作がそろいましたので、紹介します。
「自遣」 王安石
閉戸欲推愁
愁終不肯去
底事春風来
留愁愁不在
「山行」 杜朴
遠上寒山石径斜
自雲生処有人家
停車坐愛楓林晩
霜葉紅於二月花
「贈別」 杜牧
普通科2年美術選択 木版画制作中
ただいま、漢詩をテーマに木版画を制作しています。
なぜ漢詩かと言いますと、漢詩はとてもビジュアル的な表現だと常々感じていたからです。「明と暗」、「緑と赤」のように対比するイメージを効果的に使用している作品が多いですよね、
2年生文系だけに、詩の理解も深いことと思われます。完成作品を近々アップしますのでお楽しみに。
北斎までは行きませんが、多色木版です。版画は彫るまでが大変なのですが、実は摺りにこだわると本当に楽しさが広がります。かなり時間をかけて制作したので、良い作品がたくさんできそうです。
未来新聞発表会
未来新聞とは将来起こるであろう出来事を想像して、架空の新聞記事を書くことです。これは自分事として課題発見をすること、社会の為に貢献することを考えるトレーニングになります。また、仮説設定の練習でもあります。
今回、集まった見出しを一部紹介します。
「くまモンに新しい家族が☆☆」
「熊本県全体に電車開通」
「益城につながる市電線路」
「ながらスマホ事故件数0!!」
「『文理選択』の中学時引き下げ」
「熊本県水族館開宴」
「熊本!九州のおへそ化」
「恐竜体験型施設『THE DINOSAUR』」
「熊本への外国人延べ宿泊数200万人突破」
「届けよう水を!待っている県がある」
写真は発表会の様子です。ここでも相互評価はICEルーブリックを活用しています。
今回の発表会はA3用紙に記入したものを実物投影機で拡大しています。ICTの活用も第二高校の研究テーマです。
フードデザイン・美術Ⅱコラボ授業
7月4日、現役パテシエールをお招きして、ケーキの盛り付け講習会を開きました。なぜ、美術も参加したかというと、色彩の勉強の実践編として、料理の盛り付けが最適だからです。今回の講師は第二高校美術科の卒業生です。アシストをしてくださった方も同級生、卒業しても仲がいい皆さんです。
▲まずはお手本、プロは果物のカットから手つきが違います。さりげない動作に生徒たちはどよめいていました。
ケーキは食べたことのない美味しさだったそうで、試食は皆無言でした。
ごちそうさまでした。
毎年はできないかもしれないので、そこはご了承ください。
1年生講演会 ジェーンズ邸再生プロジェクト
第二高校の総合的な学習の時間は、SSH第4期スタートに伴い、普通科がGR(グローバルリサーチ)、美術科がAS(アートサイエンス)、理数科はSS(スーパーサイエンス)と学校設定科目となっています。
SSHと言えば科学的探究能力の育成が大きな目標となりますが、普通科・美術科に関しては理数科のような膨大な実験の時間をとることはできません。ですから、理数科の成果を参考にして「課題発見・課題解決」のプロセスを経験することで科学的探究の基礎を身に着けることをGR・ASの目標としました。
そこでお手本として登場していただいたのが熊本県立大学の学生さんが立ち上げた「プロジェクトJ」の皆さんです。プロジェクトJは熊本地震で被害を受けた熊本の文化財を保護するために、学生でも、学生だからこそできることを考え行動しました。
総合管理学部と環境共生学部の学生さんが互いの特徴を生かした活動を報告してくださいました。
講演中の生徒たちの様子は、目がキラキラして話に引き込まれているようでした。最後に「自分にも何かできそうだと思った人!」と問いかけましたら、ほとんど全員が手をあげてくれました。一時間の講演でこんなに人は成長するのですね。
プロジェクトJの皆様、熊本県立大学様、貴重なお話ありがとうございました。
また、このプロジェクトで頒布されるペーパークラフトは家庭科の授業で制作します。こちらも楽しみですね。
1学年通信「ごろく」発行
56期生である1学年の学年通信、その名も「ごろく」。題字は副校長先生です。先日のPTA総会で保護者の皆さんにお配りしました。
震災からの学び。デザインの視点から
美術Ⅰ振り返りの中で、震災について考える項目をつくりました。どんなアイテム、デザインがあるとよかったかという質問で「荷物を運ぶカート」、「トイレをきれいに使うアイコン」「水を運ぶときに使いやすい取っ手」「グルメテーブルかけ」「体育館や車の中で使える寝具」などが出ました。
そこで、今回用意しました課題は新聞紙の靴です。「簡単、温かい、どこにでもある、退屈しのぎになる、なんとなく笑える」の手探りですが可能性を感じる課題です。
震災時、トイレが泥で汚れてスリッパが欲しいなどの要求があったとき、これ使えたのでは?と思っていました。
30分くらいの制作でした。時間をかけるとハイヒールとか作れます。時間の関係で、全てのクラスでできませんでしたが、楽しい課題でした。みんなでテーブルを囲み手仕事をするのは、心の安定にとてもいいですね。