美術科ブログ

SSH特別授業~絵の具をつくろう~

 写真の「元素の周期表」と絵の具の関係はなんでしょう?


 10月21日(土)プラスワン講座の③④限目、美術科1年は化学室でSSH特別授業で絵の具をつくる実験を行いました。
 きっかけは校長先生が下さった一枚の記事、今熊本県立美術館で展示されている伊藤若冲の絵には「プルシアンブルー」という世界で初めての合成絵の具が使われていたという内容でした。この話を化学の先生にしますと、理系の2年生でこの実験は実施されているとのこと。あっという間に話はまとまり、本日の実験となりました。科学の履修がない美術科にとって、初めての化学室。初めての白衣でした。

 

 まず、プルシアンブルーをつくります。

塩化鉄水溶液にヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸カリウム水溶液を少量加えます。

写真が小さいですが、藍色に変わったのがわかりますか?

次にろ紙をたたみます。

ろ紙で濾します。紙に残ったのが顔料です。

同じように、ジンクホワイトとクロムイエローをつくります。

 ジンクホワイトは過熱して、水分を飛ばします。

 出来上がった絵の具は膠で溶いて、絵を描きました。お手本はもちろん若冲です。

 この中から明日の若冲が、または文化財を守る人材が生まれることを祈っています。全員が文化財保護のスペシャリストを目指しているわけではありませんが、一連の活動を通して、「何を守らないといけないのか」「どうやって守ればいいのか」「どうやって調べればいいのか」「誰を頼ればよいのか」を考える力を身に付けてほしいと思っています。第二高校で実践しているICE評価で言いうところの究極のE(Extensions)の学びだと思います。
 今日の実験は、10月29日(日)熊本県立美術館こども美術館で生徒たちが紹介とワークショップの補助をする予定です。こちらも楽しみです。