美術科ブログ

2年美術科 モニュメント制作

美術科2年生、2学期最初の課題はモニュメント制作です。テーマは「第二高校または近所の公園に設置したいモニュメントを制作する」でした。


 グラウンドの真ん中に第二高校のDをイメージしたモニュメント。


 美術棟の庭にくつろぎの空間が。


 公園にも軽やかなモニュメントが登場しました。

 これはケント紙で作成し、画像処理ソフトで合成しました。制作・写真・画像編集と複数の学びをしました。
 また、紹介したいと思います。

フレスコ画講座~SSH特別授業

8月25日(土)、午前中美術科1年生、午後美術科2年生によるSSH特別授業「フレスコ画講座」を行いました。
 フレスコ画とは、イタリア語で新鮮なという意味で、砂と石灰を混ぜて作ったモルタルで壁をつくり、その上に水だけで溶いた顔料で絵を描く技法です。ミケランジェロのアダムの創造やポンペイの壁画などが有名ですね。
 美術科では昨年度から、美術を科学的に探究することをSSH事業の一環として行っていますが、先日のプルシアンブルーをつくる実験で「顔料」について学びました。今回、フレスコ画講座で古典技法による顔料の定着の仕組みを学びました。


   

 講師は画家で東京藝術大学でもフレスコ画の講座を持っていらっしゃる第二高校美術科卒業生椎葉聡子さんです。フレスコ画の仕組みから、歴史、現代アートにつながる実践までレクチャーしていただきました。



 さらにGRで講師及び活動助言をいただいている一般材探法人ツタワルドボクからコンクリートの専門家福島邦治さんから資料提供・助言いただきました。本校SSH部主任の化学福田先生が資料を受け継ぎ、美術科の生徒たちにフレスコ画の原料になる水酸化カルシウム→炭酸カルシウム→生石灰の関係を基に、モルタル、セメント、コンクリートとは何か、フレスコ画はなぜ絵の具が定着するのかを講義していただきました。

 モルタルを練ります。

 支持体であるレンガに薄く塗ります。

 テーマは自画像です。
 

  

 次に2年生の作品。

 機会を見つけて展示する予定です。
 この研修は美術科以外の先生方、保護者の皆さんも参加・御協力していただきました。


 前日に先生方がリハーサルを行ってくださいましたので、スムーズに実習を行うことができました。


 1・2年の保護者の方も一緒に体験してくださいました。生徒たちも大いに刺激を受けたと思います。


 夏の終わりの「フレスコ画講座」、美術を究めようとすると「科学」にたどり着く、そんな経験をさせてもらいました。また、美術と化学だけでなく、国語、世界史、家庭科、事務の先生と多方面の視点から、美術や科学について考えることが気でいました。
 御協力いただいたみなさん、ありがとうございます。

季節のかたち~益城病院展(8月26日まで)

毎年恒例、第二高校美術科2年生による益城病院展が行われています。
 7月31日から8月26日(日)まで。10時から16時まで。益城病院内犬飼記念美術館で開催されています。

 展示は初秋の演出です。

 作品のタイトルは今年も俳句です。
  

 「紫陽花の 色変わりゆく 我らのよう」


 「夏の夜 こいつの出番だ 蚊をとるぞ」


 「初夏の日が さし込み光る 朝黄色」


 「ピーマンと 扇風機だけで 昭和感」


 「夏の海 子供帰りに ご注意を」

 夏休みもあと少し、美術科2年生は高校美術展に向けての作品制作に没頭しています。実りの秋になることを祈っています。

色彩学ワークショップ~美術科外部講師講演会~

今年度、美術科外部講師講演会は女子美術大学から坂田勝亮先生(芸術学部美術科芸術文化専攻教授)をお招きして、色彩学の講座を実施しました。
 まず、90分の講義で「色」とは何かを学び、次に色の三属性及び、色を分析的に見る眼を養う方法を学びます。


 次に色票(PCCS Harmonic Cards)を使って色と色との関係を把握するワークショップを行いました。
 赤から黄色の間(7色)のカードを取り出し、左右に赤と黄色を置きます。カードをシャッフルしてカードを一枚ずつ取り出し、その色が赤と黄色の間のどの位置にあるかを見極め、置きます。それを順に繰り返すと赤から黄色のグラデーションができるのですが、その感覚はなかなか均等にはなりません。 

 同様にビビットカラーの全ての色相(色味)を24色を取り出し、シャッフルしたカードを一枚一枚手に取り、その色が色相環(色を近い色味で並べたときにできる輪)のどの位置にあるかを感じ取り、その仮説をもとに置いていきます。結果は多くの生徒が下の写真にようになりました。間隔が広いところはその色に対する感覚が敏感で、その色と色の間にもう何段階かあるはずと感じているところ、ということでした。

 最後は4人一組でゲーム形式でワークを行いました。中彩度のトーンから4グループ取り出し、ばらばらに並べます。神経衰弱の要領で、同じ色相を選ぶことができたら、自分のカードとなります。

 次に、低彩度のグループの神経衰弱をします。

 簡単なようで、裏返すと隣の色相だったり、なかなか当たりません。

 最後は七ならべをしました。

 「自分はずっと美術と心理学の接点を探していたけれど、今日ここで見つけました。」という生徒の感想がありました。「見る」ということは目に映った像を脳が解釈すること、という言葉が講義中にありました。全く異なる領域の研修で学んだ「見る」ということはバラバラの情報を意図をもってまとめること、という考えを思い出しました。色彩の学習は科学的な学習なのだと生徒の感想から改めて気づかされました。
 坂田先生、ありがとうございました。

二高ゼミ「デッサンコンクール」

2週間行われた二高ゼミ最後は1~3年生が同じ内容で競い合うデッサンコンクールです。講師の先輩たちが順位をつけます。優勝者には記念トロフィーも!

3学年が勢ぞろいすると圧巻です。

先輩たちの講評に真剣に耳を傾けます。明日は各コースでのプログラムを行い、終了します。


  二高ゼミがすんだら、美術科の生徒たちの本当の夏休みです。しっかり充電してください。8月17日の後期課外を楽しみにしています。

 

最後に講師の先輩方と夏の日差しの下、写真撮影!また、来年会いましょう!!

~ようこそ先輩~二高ゼミ

 7月30日から8月10日まで、毎年恒例美術科「二高ゼミ」が行われています。
 基礎科(1年生)、油彩画科、日本画科、デザイン工芸科、彫刻科に分かれて基礎からより専門的な内容まで行います。美術科と言っても全員で終日制作に取り組むことができる時間はそう多くありません。この夏で多くの生徒がじっくりと実力を養成します。
 後輩の為に熱い指導をしてくださる先輩(美術科卒業生)に感謝です。

研究授業「絵の具をつくろう~SSH特別授業」

7月19日(木)、美術科1年生を対象に今年も絵の具をつくる実験を行いました。昨年度はこの授業を経て、九州国立博物館バックヤードツアーやAS(学校設定科目アートサイエンス)のテーマ研究において、絵の具をつくる実験を行ったチームが複数出るなど、美術探究とASの核となる事業となりました。
 今後も内容を深めていきたいと思います。

 化学の先生より、なぜ色が見えるのかを説明。



 ろ紙のたたみ方のレクチャーは実物投影機を使用。

 酸化鉄(Ⅲ)水溶液にヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸カリウム水溶液を少量加える。
 次第に沈澱し、藍色に変化。プルシアンブルーになります。

 他にもクロムイエローをつくりました。

 最後はみんなで、江戸時代ベロ藍と呼ばれたプルシアンブルーを用いた葛飾北斎と伊藤若冲の作品の模写、オマージュの制作。


 最後に二高ICEモデルの評価に基づいた感想文作成。生徒の感想の中に「プルシアンブルーは色が強くて、使いづらかった」とありました。葛飾北斎の娘をモデルにしたテレビドラマで「こんな強烈な色が使えるか?」というセリフがありました。葛飾北斎「富嶽三十六景」の鮮やかな藍はベロ藍です。
 北斎はこのベロ藍を自分のものにして新しい境地を開いたのですが、人工顔料の強さに気づく美術科生徒の感性はさすがだと思いました。

子ども美術館「やってみよう染物体験」

先月になりますが6月17日(日)熊本県立美術館本館で子ども美術館が行われ、第二高校生もボランティアとして参加しました。テーマは「やってみよう染物体験」、写真を中心に振り返ってみましょう。
①ボランティアに参加した第二高校生は3,2年生の14人です。

②布を輪ゴムで縛ります。場所は好きなところ。

③難しいところは高校生がお手伝い。

④こんな形になりました。

⑤藍染の液に漬けると・・・

⑥こんな素敵なハンカチになりました。
 広げる前にどんな形になるか想像すると、数学的な学習につながりますね。

 みんなで発表会をしました。最初はみんなの前でお話しするのを恥ずかしがっていたお子さんも高校生のお姉さん、お兄さんと一緒なら、元気に発表できました。
 また、あるお子さんは、高校生にこっそり「父の日のプレゼントにするの」と耳打ちしていました。
 みんなにとってハッピーなワークショップとなりました。次は7月29日と、8月11日に開催されます。詳しくは美術館のHPをご覧ください。

美術科1年も頑張っています!

びとろぐでなかなか更新できませんでしたが、1年生頑張ってます!
入学後、T字ブロックや石膏像・ラボルトのデッサンに取り組んできました。


初めてのデッサンは「T字ブロック」。木炭で描くことも初めてという生徒も多く「思うように描けない!!」「鉛筆がいい!」と言っていましたが、今では「木炭のほうが馴染む…」と言うまでに。


2枚目はラボルトを描きました。T字ブロック、石膏像と描き続けることで、少しづつ自分の課題が見えてきました!

さて、先日より油彩画で静物を描いています。
今回も、初めて扱う画材ばかり。
キャンバスの張り感やオイルの匂い、絵の具の粘りに感動する姿がたくさん。
どのような作品が生まれるか、生徒たちもワクワクしているようです。

子ども美術館:レオナール・フジタってどんなひと?

5月27日、熊本県立美術館で小中学生向けワークショップを行う子ども美術館のお手伝いに3年生5人が行ってきました。
 当日は参加者は少なかったのですが、その分アットホームな雰囲気で行うことができました。

 今回はフジタの作品の下地と墨で描かれた線に注目した内容でした。フジタの作品の特徴は肌などに使用される乳白色です。学芸員さんの解説によると、その方法はフジタの生前は極秘だったそうですが、没後の研究によって明らかになりました。ベビーパウダーや様々な素材を使用したそうですが、今回は少しでもそのエッセンスを味わうために胡粉ジェッソという下地材を色紙に塗り、筆ペンで描写しました。

 猫とフジタは密接な関係があり、フジタの自画像には表情豊かな猫の姿がよく一緒に描かれています。パリの貧しい暮らしの中でもいつも猫がそばにいたようです。過去の子ども美術館で解説があったのですが、キリスト教美術で聖人の側には聖獣が描かれることがあるように、フジタにとって猫はペットとしてだけでなく、画家としての自己を高め、勇気づける存在だったのかもしれません。
 
 また、実際にフジタの作品をトレースし、筆ペンでなぞることであの緻密な線を引くのにかなりの技量が必要であることも理解できました。今回、素材と技術の両方からフジタを体験的に理解し、展示室での実物の鑑賞がより深まりました。さらに、ギャラリートークで学芸員さんの深い知識に裏付けされた解説に心打たれた時間となりました。

 最後はみんなで感想を発表し、学んだことをシェアしました。
 参加者の皆さん、ボランティアの皆さん、美術館の皆さん、ありがとうございます。