2017年11月の記事一覧

高校美術展 

10月31日から11月5日まで、県立美術館分館にて高校美術展が行われました。最終日は表彰式と講演会が行われました。講師は女子美術大学芸術学部アート・デザイン表現学科アートプロデュース表現領域 准教授 日沼禎子先生です。
 日沼先生は平成27年に第二高校美術科で講演をしていただいています。テーマは「世界的アーティストとの出会い」、東日本大震災後に展開した世界中の芸術家とのプロジェクトを紹介してくださいました。私たちは、平成28に年自分たちも熊本地震を経験し、美術を学ぶものとしてもう一度日沼先生のお話を聞きたいと思い講演をお願いしました。


 2年前、日沼先生の講演で「芸術とは(効率的ではない方法で)記憶を保存する」という言葉が非常に心に残りました。芸術や文化の大きな役割を示唆していると思います。

 

今回の高校美術展ではたくさんの賞をいただきました。一部ですが、作品を紹介します。

 

 

技法研究「コラージュデッサン」講評

 期末考査の1週間ほど前になります。1年生、2作目の油彩画に備えて、コラージュデッサンを行いました。
 静物モチーフを囲み、普段なら筆や木炭を持つところ、色とりどりの紙、様々な手触りの素材をボードに張り付けていきます。
 空間を構成する図と地の関係を意識すること、油彩画の持ち味でもある絵の具の重なりを意識することが狙いです。生徒の自評からも完成をイメージし、そのためのプロセスを考え、計画的に実行することの大切さに気付いたことがわかりました。
 感情だけでは絵は描けない。絵を描くことの醍醐味は思考するにもあると生徒たちを見て、感じました。

3年生美術史発表会

3年生美術史選択者によるミニ発表会を行いました。それぞれがテーマを設定し、エッセイを作成し、口頭でのプレゼンテーションを行いました。
 美術科では美術理論を1年次美術史(今年度から美術探究)、3年次鑑賞研究(必修)、美術史(選択)を開講しています。今回は3年間美術を学んだ集大成となるように「私だけが知っている!ここが美術史のターニングポイントだ!!」というテーマで美術史を振り返りました。
 様々なテーマがありましたが、特に①素材の発達から生まれる変化、②西洋の政治・経済・宗教に影響される文化の役割の変化③東西の交流による変化(印象派、浮世絵、明治維新後の文明開化)④現代アートとは何か、が目立ちました。

▲実物投影機を使用しプレゼンしました。彼女は発表内容をKP法でまとめ、簡潔に内容をまとめました。


ノートをそのまま写すこともできます。この発表はスマホによる自撮りを含め、アートと呼ばれる写真の境界線はどこか、という内容です。


▲教科書の年表や図版を活用して、発表を行いました。

 彼らが1年生のころに行った作家研究とポスターセッションよりはるかにかけた時間は短いのですか、課題設定、画像分析、歴史的検証、考察と必要なプロセスをしっかり踏まえた良い探究となりました。


 あと少しの高校生活、充実したものにできるよう、先生たちも応援していますよ。

紙立体~帽子の制作

年生10月のデザイン課題は帽子の制作です。使用してよい素材は白い紙。平面を立体に構成する難しさを味わったようです。

◆デザインにはユーモアも大切

◆衣装や見せ方で作品も魅力をさらに引き出します。

◆丸い形をつくるのは本当に難しそうでした。この作品は細部までこだわったお手本となる作品です。

◆ダイナミックな造形で、インパクトを与えます。はさみや手など具体物の描写も効果的です。

◆鳥と帽子を組み合わせた作品、様々な造形要素が詰まっています。

◆帽子を越えた作品もたくさんありますね。記念撮影です。

子ども美術館「若冲」

 10月29日(日)、熊本県立美術館本館で子ども美術館がありました。第二高校生徒が子ども美術館のお手伝いをするようになって5年、初めて先生役をすることとなりました。

 内容は絵の具とは何かという説明と、先日行った「プルシアンブルー」をつくった化学の実験についてです。これまでのSSHのホルベイン工業の特別授業、熊本大学の博物大名の講演など、様々な事業の結晶となった活動になりました。


1年生12人、初めてでしたが、学芸員さんや美術館ボランティアさんの御指導のおかげで、子どもたちともスムーズにコミュニケーションをとっていたようです。

 この日は、済々黌高校の工藤典子先生も特別講師として参加され、膠(にかわ)がなぜ糊の役割を果たせるのかを証明する、ネバネバ実験もしました。指先に少し膠をつけて、指をくっつけたり話したりすると、とろっとした膠が指にはりつくのです。

 次に岩絵の具を膠で溶き、その指で色を付けていきます。塗り絵の原画はもちろん若冲です。

 カラフルな鳥ができました。岩絵の具の美しさも、感じ取ってくれたようです。

 今回は参加された保護者の方にも胡粉を溶いていただいたり、御協力いただきました。大人でもなかなか日本画体験はできないので、喜んでいただけたでしょうか。

 最後に学芸員さんのお話がありました。若冲は江戸時代の画家ですが、非常に科学的な視点を持った画家であると感じました。美術は美術、歴史、科学、それぞれの分野がそれぞれに探究するだけではなく、お互いにコネクトすることで新しい学びが生まれることを実感しました。

 今年度最後の子ども美術館でした。3歳くらいの小さなお子さんから6年生まで、みんなが楽しめるイベントとなり、こちらも勉強になりました。美術館の皆さん、ボランティアの皆さん、そして参加された子どもたち、保護者の皆さん、ありがとうございます。

「坂本善三美術館展」鑑賞会

10月21日(土)、肥後銀行本店にある肥後の里山ギャラリーで、「坂本善三美術館展」を鑑賞しました。
 郷土の作家であり、“東洋の寡黙”と称された画家・坂本善三の没後30年を記念する展覧会。ただいま、二作目の油絵制作の準備をしている1年生には勉強になることばかりです。
 抽象画のイメージがある坂本善三ですが、初期は静物画をたくさん描いています。この展覧会で坂本善三の変化を見ていくと、どうしてこのような作品を描くようになったのか体感できます。


 写真のとおり、学芸員さんが丁寧に、熱く解説してくださいました。
 10年以上前の新聞に坂本善三は自身の絵に対して「最近私は空間に『すき間』があるのを発見した。そしてその『すき間』自分がいる(平成18年2月25日熊本日日新聞)」と語っていたという話がありました。今回の鑑賞会は、まさに「表現とは何か」、「絵画表現における空間とは何か」を問いかける体験となりました。


 お忙しい中、鑑賞会を開催していただいた肥後の里山ギャラリーの皆様、ありがとうございます。