SSHブログ
3月22日平成29年度SSH研究成果発表会
3月22日、平成29年度SSH研究成果発表会が行われました。
まず、オープニングアトラクションとして放送部映像作品の上映。
午前中は土山元治さん(株式会社大林組熊本城工事事務所長、本校19期生)をお招きし、「【特別講義 くまもと地域復興論】熊本城の復旧整備における期待とその使命」を講演していただきました。熊本城修復のプロセスをダイナミックな映像と共に説明していただきました。
午前中と昼食後1時間ずつポスターセッションを行いました。1年生はグループ研究全べて、2年生普通科美術科は個人研究全員(およそ360作品)、理数科の課題研究を発表しました。各教室で行い、大人数のポスターセッションで不慣れな面もありましたが、第二高校として念願の全員での発表が実現しました。
美術科はビジュアルにこだわりが。
理数科は持ち味の緻密な探究を。
自作VRも登場。
普通科は多様性。ほとんどの学問分野の探究がそろいます。
その後、体育館に戻り、「探究活動成果発表」が行われ、普通科、美術科、理数科1・2年生の各代表がプレゼンを行いました。質問も積極的に出て、大いに盛り上がりました。発表をする中で、発表を聞く中で発見があり、学びがある時間でした。
最後は全校生徒による大実験会で探究とは何かを再確認しました。
体育館で全校生徒が集うことができる喜びを感じつつ、平成29年度のSSH成果発表会を終えました。平成30年度はさらに充実した内容になるよう、楽しんで科学しましょうね。
1年美術科SSH特別授業「美術解剖学講座」
2月9日(金)、本校セミナーハウスにて九州中央リハビリテーション学院から先生をお招きして、解剖学と人物デッサンをテーマに授業を行いました。
まず理学療法学科専任教員である岩見幸省先生から、「人はなぜ立つことができるのか」ということと骨格見本や美術作品やスポーツの写真を参考に体の重心についた学習しました。
次に九州中央リハビリテーション学院の職員であり、崇城大学芸術学部でも教鞭をとっていらっしゃる大村充弘先生から、彫刻的な視点から、重心を意識したクロッキーのレクチャーがありました。
普段、重心という言葉を使いつつも、ここまで丁寧に考えたことがなかったので、重心に対する理解がクリアになりました。
生徒の感想文を呼んで、頭では理解していることも、いざ視覚的に表そうとすると難しさがあったり、逆に理屈は知らなくても描けていたり、人が情報や知識を認知してそれを行動に移すには、ただインプット・アウトプットの関係ではなく、他にも何かプロセスがあると感じました。
SSH事業では生徒に知識や探究の手法を伝えるだけでなく、生徒が物事をどう理解し、成長しているがを目の当たりにすることもでき、今後も継続して研究していきたいと思っています。
1学年テーマ研究発表会
1月11日(木)LHR相当の時間に1年生の普通科、美術科、理数科によるミニテーマ研究発表会を行いました(理数科は課題研究)。
各クラス代表2班、美術科・理数科は3班、それぞれの科の持ち味を生かした発表となりました
理数科手作りVR
今日はとても寒く、カメラのレンズが曇ってしまったのか、写真がどれもピンボケでした。後日、他の写真も掲載します。
平成29年度GRⅠ・ASⅠ・SSⅠ
「テーマ研究発表会」発表班一覧
組 | テーマ | |
1 | POWER OF THE YURUKYARA | 世界で1日に使う電力を 太陽光発電だけで賄うには? |
2 | 健軍商店街リニューアルオープン | 科学の発展が与える仕事への影響 |
3 | 県ごとに学力の差があるのはなぜ? | なぜ文理選択の比が5:5にならないのか? |
4 | モテるゆるキャラの鉄則! | Forth Of Frictions |
5 | もし宿題がなかったら・・・? | 環境と身長の関係 |
6 | 睡眠と集中力の関係 | ゆるキャラが誕生すると県がGrow upする!? |
7 | アツアツの天津飯を食べたーい!! | 少女漫画を徹底解剖!! |
8 | きれいな水をつくる! | 外来種の実態 |
A | 子どもに好かれる動植物園を目指そう | 次世代型防災リュックの開発 |
S | 白昼と夕方の太陽スペクトルの色の割合の分布 | 疲労と睡眠の関係 ~理数科のみんなに快適な眠りを~ |
情報科学~VRとは?~ |
三科合同のテーマ研究発表会も5年目です。
美術科は絵の具を作ったり、絵の具の廃液の浄化を考えるより科学的な研究テーマが増えました。また、デザインを通して、震災について考える班、震災後の動植物園を応援する班、美術史に正面から取り組む班と美術の多様性を感じさせました。
理数科はScienceのスペシャリストを目指す人材らしく、内容・検証・発表全てにおいて、普通科、美術科へのお手本となってくれました。また、研究を深めるだけでなく、伝えることのスキルも年々向上しているのを感じます。
普通科はテーマを一見すると簡単な内容に感じるかもしてませんが、「理系と文系はなぜ・・・?」の班は数学への展開ですし、「天津飯」も実験を通して科学的な検証を深めています。(さぞおいしい実験だったと思います)
今回、特に熱かったのが「もし宿題がなかったら?」班です。ただの愚痴ではありません。自分たちでアンケートをとって宿題にかかる時間と成績の相関関係を検証し、第二高校生にとってベストの課題量を提案しています。そして、学校全体を巻き込む教育実験を考えていますが、どうなるでしょうか?
内容は科学そのものではなくとも、大切なのは課題を発見し、それを論理的に検証し、結論に導く。そして、自分たちの思いを的確に伝える。というプロセスが何より大切なのです。
3月のSSH成果発表会が楽しみです。
テーマ研究がもうすぐ完成!
美術科ではAS(アートサイエンス)、美術の探究に科学的な視点を導入しています。
絵の具を作っています。
自然石でも頑張っています。
絵の具の廃液の浄化を考える班
熊本市動植物園をもっと楽しむアプリ開発
実際に熊本市動植物園さんと「パース図作成」など共同の事業も行いました。
動物の混合展示のプランです。
防災グッズのデザインも行っています。
◆GR(グローバルリサーチ、普通科)での風景。教室でタブレットを活用しています。格段に情報収集が楽になりました。普段は基本時間外に調べ、授業時間はディスカッションやまとめに使いますが、ちょっとした調べ物や確認に有効に使っています。
主体的・協働的な学びを目標としています。
限られた時間・場所で実験も頑張っています。
来週は2年は発表会、1年はクラス代表決めです。頑張って下さい!!
「誰が一番高いかな?」子ども達と積み木
高校生のワークショップのあと、小学生以下の子どもたちにお声がけしてワークショップを行いました。積み木は観察力、分析力、空間把握能力、バランス感覚、身体感覚を育てる素敵なおもちゃだとしみじみ感じた事でした。見学した本校職員ともその可能性をいろいろと話し合いました。
スタッフは教員志望の1年普通科、美術科の生徒たち。
15人のお友達が参加してくれました。
自分の背より高く積むのが目標です。
高校生のお兄さん、お姉さんに手伝ってもらって、自分より大きな積み木に挑戦です。
完成後、小学生のお子さんから「軸を意識しました。」「バランスを考えました」という高校生顔負けの感想がありました。大人の声掛けをよく聞いて、自分の行動と照らし合わせていることに感心しました。
子どもたちとよーく話をしながら、造形の手助けをしていました。
高さだけでなく、美しさにこだわった作品もありました。
最後は好きな形をつくりました。
「きょうはさいこうのいちにちでした!」というお子さんの言葉に、みんな感激しました。
片付までしっかり頑張りました。高校生スタッフもよく頑張りました。ありがとうございます。
ここから未来の科学者が生まれるかもしれませんよ。
ASⅠ 実習「パラパラ動画」
美術科1年を対象とするSSH学校設定科目「アート・サイエンスⅠ(略ASⅠ)」では、実習課題「パラパラ動画」に取り組みました。
【実習場所】
特別教室棟コンピュータ室(生徒用クライアントPC×43台、教員用クライアントPC×1台、管理サーバ×1台)
【実習の流れ】
- 参考作品を鑑賞する。
- ペアを組み、作品の構想を練る。
- アニメーション作成に必要な専門用語や仕組み、ペイント系ソフトウェアの使い方を学びながら制作する。
- GIFアニメーションとして出力し、コンピュータ室のサーバに提出する。
【課題制作条件】
- 二人一組で一つの作品を制作
- 作成期間は50分×3回
- 色は白黒のみ
- 再生時間は10秒以内
ペンタブレットが無いのでマウスで描画しなくてはならず、思うような線が描けずに苦労したようですが、逆に「いかにして短所を長所に変えるか」といった発想の転換も必要ですね。完成後、本校eラーニングサイトを利用して全員が全作品とその解説を鑑賞し、一人3回までの投票という形で他者評価を実施しました。トップ3の作品とその解説を掲載します。
第1位 得票数:26 出席番号29・30の作品
【29】今回のパラパラ動画で、私は「馬が馬刺しになるまで」をテーマにしました。熊本では馬刺しが有名なこと、そして自分たちは命を頂いているんだということを短い時間で分かってもらいたくて、走っている馬をだんだん拡大していって、そして急に馬刺しを出すという単明で率直な動画にしました。特にマウスで描くというのが、人生初の体験で苦労しましたが、自分たちの伝えたかった馬の格好良さ、命の大切さを表現できたので良かったです。
【30】自分が制作したパラパラ動画は、走っている馬が馬刺しになるという動画で、一つの命についてテーマにしました。馬の走り方がとても複雑のなので、その走り方について調べたりするのが大変で工夫しました。マウスで描くことはすごく難しいことなんだなと思いました。馬の走っている所を一通り描いてそれをコピーして走る時間を増やしました。風になびくたてがみにも走っていると分かりやすいように頑張りました。
第2位 得票数:25 出席番号35・36の作品
【35】私は二高体操をモチーフにしたパラパラ動画を制作しました。二人で制作をしてみて、特にアピールしたい点は表情です。見たら思わず笑ってしまうような表情になっています。苦労した点は、途中二人で作業をしていたので、作業中のデータが消えてしまったことです。しかし、その反省を生かして、より面白いパラパラ動画を完成させることができたと思います。
【36】運動場で二高体操をした時の面白さを、シンプルな白い人物の凄い形相で表現したかった。しかし、動きをゆっくりにすると躍動感に欠けるし、早くすると短くなる。そこで、動きを終えた人物が倒れて魂が抜ける描写を付けた。スムーズに、できるだけ自然に体を重力にあずける、という動きは思いの外表現に手こずったが、フレームの数も増やしてなめらかな動きを実現できたと思うので良かったと思う。
第3位 得票数:15 出席番号3・4の作品
【03】自転車をこいでいる人という対象をより分かりやすくするために、一つ一つのフレームで、自転車のタイヤの向きを変えて、タイヤが回っているということが分かるように表現するのが大変だった。本元は、自転車に乗りながらスマホをするのは危ないということを伝えるアニメーションにする予定であったので、手にスマホを持たせ、スマホらしくするのも大変だった。最後に田んぼに落ちることで、ながらスマホの危険性が伝わったと思う。
【04】10秒というコマの少なさで、ながらスマホは危ないという動画を作りました。自転車にのりながらスマホをみていて泥にはまってしまうという動画です。特にアピールしたいところは、自転車のタイヤの回り方です。苦労して書きました。工夫した点は泥にはまったあとの泥の動き、泥に気づいて自転車に乗っている人が驚くようにしたところです。また、自転車をこいでいるように見せるようにすることにとても苦労しました。
参照:教科書「高校社会と情報」4章「Supplement PLUS 動画と立体表現」p.102-103
SSH事業 積木ワークショップ
「積み木」で科学するってどういうことでしょう?
実は物理、数学、工学と関わる学問領域はとても広く、そして芸術、教育、福祉とも密接にかかわります。今回は積み木を使うことによって科学技術振興にこんな効果があるのでは?ということを考える実践です。
今回もう一つ実験をしました。理数科1年と美術科1年をシャッフルしたのです。
どんな活動になったでしょうか。写真で振り返りたいと思います。
まず8人ずつ、5班に、さらに前半・後半にわかれます。
先に前半がつくります。それを後半が観察し、次に生かします。
一班5000個の積み木を割り当てます。
5分制作して、前半と後半が入れ替わります。観察する班は別の班の偵察も行います。
慣れてくると5分でもかなりの高さです。
つくる・見る・つくる・見る、を4回繰り返し、最後は全員で10分。高さを競います。
①②限の優勝チーム。
こっそりいろんなものをつくっています。
モアイ
モアイ2
③④限の優勝者
感想も真剣に書いてくれました。
壊すときはこんな感じでした。
沢山の学びがある活動でした。また、しましょうね。
SSH事業「建築との対話」光嶋裕介講演会
建築士 光嶋裕介さんをお招きして、二日にわたって講演会を開きました。まずは、写真で報告します。後日生徒たちの感想をもとに、詳しく振り返りたいと思います。
◆プログラム1 講演 「建築との対話」 美術科1年
光嶋さんの著書「建築との対話」をベースに、ご自身の半生を振り返つつ、建築の本質についてレクチャーしていただきました。
◆プログラム2 講演「建築家の仕事」 全科、全学年希望者63人
内田樹さんの自宅兼道場を設計したことでも知られる光嶋さん。空間が果たす役割の重要さに気づかされました。
著書にも紹介されているスケッチを実際に手に取ってみる贅沢な時間。美術科普通科を問わず、食い入るように見ていました。
生徒の個別の質問にも丁寧に答えていただきました。
◆プログラム3 「講演+ワークショップ~幻想都市絵巻~」
美術科1年、理数科1年(美術、書道選択)、普通科文系2年(美術、書道、フードデザイン選択)それぞれ50分のプログラム
12㎝×12㎝の絵を隣同士繋つないで大きな一枚の絵にします。
光嶋さんもその輪に入ります。
光嶋さんの隣に座った生徒は緊張していましたが、かなり刺激を受けてみんな良い作品を仕上げました。
絵をつなげる(コネクトする)ことによって、対話が生まれ、もっといい作品をつくろうとするムーブメントができました。また、コネクトするとは受け身で待つのではなく、相手にパスする、干渉する行為も必要なんだと学びました。
みんなの絵をつなげます。
どの学年、どの科も素敵な笑顔でした。どんなに楽しく充実していたか、写真を見ていただければわかると思います。
光嶋さん、遠路お越しいただきありがとうございます。貴重な体験となりました。
プログラム⑥ イリコの解剖
最後のプログラムは
1年生の普通科と美術科の
混成チームでした。
イリコを手で
解剖していきます。
一心不乱です。
まず第一番目のヤマは「脳みそ」
食べたはずなのに、見たことがない!
見つけるのに苦労してます。
見つけていきながら
丁寧に並べていきます。
図鑑のような仕上がりでした。
もう一尾のイリコを試食。
そのおいしさに
もう止まりません!
「脳みそはとても美味しい」との情報に
どれどれ、と各器官別に味わいます。
おいし~い!
解剖したイリコもすべておなかの中に。
このクラスには
3つのプログラムを体験できた生徒も多数おり
非常に満足度の高い様子が表情からうかがえました。
会場の大きさの都合上
プログラムを6つに分けての実施となりました。
品川先生、6つものプログラムを
本当にありがとうございました!
プログラム⑤ みそ汁の味わい比べ
いよいよ最終日。
プログラム⑤は
2年生フードデザインと美術の選択者の講座でした。
3種類のみそ汁を
味わい比べます。
実は、3つのみそ汁は
塩分%をそろえてあります。
塩分%を揃えているのに
塩味の感じ方はだしによって
大きく違うのですね!
体験後、4行詩を作りました。
本校の「一品持ち寄り弁当の日」では
毎回4行詩を制作し
優秀作品をHPでお知らせしています。
生徒たちは「あ、あれね!」という感じです。
とても素敵な4行詩が生まれ
温かい気持ちになりました。